シベリア便り 2004/12/15

10~11月のおよそ1カ月間、シベリアのサハに行っていました。サハ共和国の首都ヤクーツクの北、北緯70度近い北極圏です。ベルホヤンスク山脈と言う、人が住んでいるところとしては世界で一番寒い地域です。今年は例年より暖かいといっていましたが、それでも着いた時は既に氷点下35度でした。

ここの先住民はトナカイを巧みに操るトナカイとヤクート馬の飼育民です。以前もトナカイぞりに乗って旅したことはあるのですが、今回は野生羊の狩猟にトナカイぞりと騎乗トナカイを使って巻き狩りをしました。改めて極北地方でのトナカイの重要性を思い知らされました。トナカイぞりはスノーモービルの上がれない、岩のゴツゴツした急斜面をガンガン上って行きます。ソ連時代は郵便配達にもトナカイを使ったそうですが、人類が初めて極北に進出した太古の時代も、シベリアに定着してからも、食用、運搬用として活用されるトナカイがいなかったら、極北の歴史も大幅に変わっていたように思いました。人類拡散の最も大きな障壁だった極北に進出できなかったかもしれません。