航海日誌 2011/5/16

 パクール号は午前3時にいかりを上げ、帆を立てて出航の準備が出来たが、縄文号はいかりが抜けず手間取る。結局、出港出来たのは4時過ぎであった。

 しかし風はほとんどなく、最初から漕ぎ始める。8時まではかすかに吹いていたが、8時過ぎには全く止まってしまい、思い切り漕ぎ始める。

 9時30分にCalayan島の北側にある小さな島で風が吹くのを待つことにする。小島の周囲は濃いエメラルドグリーンで透明だ。サンゴは貧弱だが、やや大きな魚が水深7~8メートルのところを泳いでいる。渡部純一郎も久しぶりに穏やかな海ですね、と言ってシュノーケリングを楽しんでいる。シュノーケリングをしていても潮流の速さを感じる。

 12時に出航。Babuyan島に向かうが、風と潮によってはSabtang島に直行する。

 強い南西の風が吹いていたので出航したのだが、今は弱い南風で、いつ止まってしまうのか心配だ。ただし、追い潮が私たちを助けてくれる。

 14時になってBabuyan島がかすかに見えてきた。いったん止まりそうになった風もまた吹き始めた。難所を渡っているのに私たちはある程度の強い風が吹くのを待ち望んでいる。私たちの舟は無風に弱い。

 15時を過ぎてもいい西風が吹いている。まだ出発地点からBabuyan島まで半分近くまでしか来ていない。いつも16時か17時には風が止んでしまうことが多いので不安だ。風が止むとCalayan島に着いた時と同じように4~5時間漕がなければいけない。