帰国、そしてモンゴルへ 2009/9/1

 8月31日、帰国した。8月5日に航海は終了していたが、マレーシアに戻って、漂海民あるいは海のジプシーといわれているバジャオ(インドネシアではバジョと呼ばれている)のところに戻った。彼らの中で、医療活動をしながら、ミトコンドリアDNAのサンプル採取をしていた。その分析結果で彼らと日本人との関係、あるいは周辺民族との関係、彼らがどのようなルートで今の土地までやって来たのか分かるはずだ。

 バジャオはインドネシア、マレーシア、フィリピンの国境地帯で国境を無視して自由に行き来している。パスポートもIDカードも持たず、国籍も持たない。子どもたちは学校に行かず、家族や海が彼らの先生だ。杭上家屋に住む者も多いが、舟を家として暮らしている者もいる。

 今まで旅した他の地域でも、狩猟採集民や遊牧民に惹かれたように、海でも漂泊する民に魅せられてしまった。

 9月2日からモンゴルに行く。プージェーの祖母スレンさんに映画「プージェー」を見てもらうためだ。スレンさんは遊牧地を引き払い、町に住んでいるという。大きくなったプージェーのいとこバーサとも会える。楽しみだ。