8月初めからペルーに来ている。主な目的はペルーアマゾンのマチゲンガのファミリーと久しぶりに会うためだ。
必要なものはすべて森と川から取ってきて、自分たちで作ってしまう。そういう人たちと40年の付き合いになる。初めて出会った時1歳に満たずよちよち歩きだった末っ子のゴロゴロは40歳になっている。世界中で、事件をあげたら限りのないこの激変の時代に、彼らも同じ地球上で、少しずつ変化しながら生きてきた。
初めて出会った時、トウチャン夫婦には息子6人、娘2人がいた。トウチャンの母親、バアチャンも生きていた。
少し慣れてきた時、全員の名前を尋ねたが礼拝堂のある村シントゥーヤに移り住んでいた長男を除いて名前がないという。名前が付いていないことに驚いていると、全員に私が名前をつけろと頼まれた。
どうせその名前は定着しないだろうと思って適当につけた。次男はスペイン語で日本を意味するハポン、三男はライギョをよく釣るので、マチゲンガ語でそれに当たるセンゴリ、四男は洗礼名ファン、五男は動作が遅かったのでソロソロ、六男は五男と勘違いして、五郎としようとしたが、少しひねってゴロゴロとした。
女の子はきれいな名前をと思って、長女はスペイン語でバラを意味するローサと名付けたが、彼らはうまく発音できず、ドーサになってしまった。次女にはランを意味するオルキーディアと命名した。
父親と母親は単純にトウチャン、カアチャン、そしてトウチャンの母親はバアチャンと名付けた。軽く名前を付けたが、思いも寄らずその後その名前は定着してしまった。
第一世代のバアチャンだけでなく、第二世代のトウチャン、カアチャンもすでに亡くなった。カアチャンの亡くなったのは2年前だという。第三世代も年寄り扱いされ始めている。その子供たちが結婚をし始めて、第五世代が何人かいる。
初めて出会った時、よそ者をほとんど知らず、完全自給自足の暮らしをしてきた彼らの暮らしは大きく変わった。初めて会った時に11人だったトウチャン一家は姻戚を含めると42人になっている。第四世代は近くの村で、寄宿舎に入り、ハイスクールに通っている。携帯電話を持っていた。
私たち文明世界も激動の時代だったが、地球の裏側の、地球上でも最も自然と寄り添って暮らしている友人たちの暮らしも大きく変わってきた。